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歯周病治療

PERIODONTICS

歯周病は、成人が歯を失う最大の原因と言われており、初期の段階では自覚症状がほとんどなく進行していくのが特徴です。「歯ぐきから血が出る」「歯がグラグラする」といった症状に気づいたときには、すでに骨などの周りの組織が深刻なダメージを受けているケースも少なくありません。

当院では、単に進行を止めるだけの治療にとどまらず、失われた歯周組織の回復を目指す「再生療法」を視野に入れた、一歩進んだ専門的な歯周病治療を行っております。

歯周治療で大切なこと

歯周治療において最も大切なことは、患者様と歯科医療従事者が協力して長期的な口腔健康を目指すことです。歯周病は慢性疾患であり、一度の治療で完治するものではありません。そのため、継続的なケアと定期的な受診が不可欠です。

患者様と歯科医療従事者が協力して
長期的な口腔健康を目指すこと

私たちは専門的な治療やアドバイスを提供し、患者様は日々のケアに取り組む。お互いが同じ目標に向かって歩む二人三脚の信頼関係が、健康な歯を守る土台となります。

患者様自身が自己管理能力を高めること

歯科医院でのケアだけでなく、ご自宅での正しいブラッシングなど、患者様ご自身がお口の環境をコントロールする意識と技術を持つことが、治療の成果を維持する最大の鍵です。

口腔内だけでなく
全身の健康にも注意を払うこと

歯周病は、糖尿病や喫煙、ストレスといった全身状態とも深く関連しています。お口の症状だけを見るのではなく、体全体のリスク因子にも配慮しながら誠実に治療を進めます。

歯周組織の構造

歯周組織は、歯を支える重要な組織群です。主に以下の4つの組織から構成されています。

歯周組織の構成
  • 歯肉(しにく)
    歯の周りを覆う粘膜組織です。健康な歯肉はピンク色で引き締まっており、歯と歯肉の間に隙間(ポケット)はほとんどありません。
  • 歯根膜(しこんまく)
    歯の根と歯槽骨の間にある薄い結合組織です。歯を支え、衝撃を和らげる働きがあります。
  • セメント質(しつ)
    歯の根を覆う硬い組織で、歯根膜の線維が埋め込まれています。
  • 歯槽骨(しそうこつ)
    歯を支える顎の骨です。歯根膜を介して歯を固定しています。

歯周病が進行すると、これらの組織が徐々に破壊されていきます。初期段階では歯肉の炎症(歯肉炎)から始まり、進行すると歯槽骨の吸収が起こり、最終的には歯の喪失につながる可能性があります。
歯周治療の目的は、これらの組織の健康を回復し、維持することにあります。

歯周病治療の流れ

日本歯周病学会は、科学的根拠に基づいた歯周治療のガイドラインを提供しています。当院では、この指針に従うことで、標準化された質の高い治療を提供することができます。患者様のお口の状態に合わせて、以下の手順に沿って誠実に治療を進めてまいります。

  1. Step01資料採取・検査・診断

    詳細な問診、口腔内診査、口腔内写真、エックス線検査、歯周精密検査などを行い、歯周病の進行度を正確に診断します。
    どのような疾患も検査と診断が必要ですが、歯周病の場合は行うべき検査項目が多くなります。

  2. Step02治療計画の立案

    日本歯周病学会の治療指針に基づき、まずは現状をよく理解していただき、患者様の状態に応じた適切な治療計画を立てます。
    治療計画の立案には時間がかかります。検査日と治療計画のお話は別日になります。

  3. Step03歯周基本治療

    このフェーズでは、セルフケアの確立を中心にしつつ、虫歯治療、根管治療、不適合修復物の修正変更、保存不可の歯の抜歯、揺れている歯の固定、噛み合わせの調整、歯肉縁上縁下の歯石とりを行います。

  4. Step04再評価

    歯周基本治療はやっておしまいではありません。その効果をもう一度評価し、治癒しているかを確認します。
    重症度に応じて、追加の治療が必要かどうかを判断します。

  5. Step05歯周外科治療

    必要に応じて外科的処置を行います。一見、外科処置?と思われるかもしれませんが、歯周基本治療内での歯石取りも外科処置の一種です。歯周ポケットが残るということは、歯石が残存している可能性が高いです。古くから、歯周ポケットが深ければ深いほど、歯石の取り残しは多いと言われています。そのままの管理が難しいので、しっかり明視野で歯石を確認することで取り残しをなくします。
    近年では、歯周組織再生療法で失った組織を再生させることも可能となってきております。

    歯周外科治療について
  6. Step06メインテナンス、SPT(Supportive Periodontal therapy)

    定期的な検診と専門的ケア(プロケア)を継続します。特に、歯周病は再発する恐れがあります。定期的にいらっしゃった際には、セルフケアのチェックをしっかりと行い、セルフケアでは届かない様な場所はプロケアで対応いたします。歯周病患者のメインテナンスは海外ではSPT(歯周病安定期治療)と言われ、いわば治療の一種です。歯周病に完治となることは少なく、症状を緩和して再発させない治療の一環としてSPTが必要となります。
    当院では、その患者様の重症度に合わせて相談し、1〜6ヶ月に1度の間隔で来院していただいています。

    SPTについて

これらの指針は、個々の患者様の状態に応じて柔軟に適用されます。

歯周病予防について

治療の根本はセルフケア

歯周治療の成功の鍵を握るのは、患者様自身によるセルフケアです。日々の適切なオーラルケアが、歯周病の予防と治療に最も重要な役割を果たします。

  • 正しいブラッシング

    毎日行う歯磨きだからこそ、ご自身のお口に合った適切な歯ブラシ選びと、正しい磨き方を習得して実践することが重要です。当院では患者様一人ひとりの歯並びに合わせたブラッシング方法を、歯科衛生士が丁寧に分かりやすくアドバイスいたします。

  • 歯間部の清掃

    歯周病や虫歯の多くは、歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間から発生します。往々にしてこの歯間部の清掃は疎かになりがちですが、フロスや歯間ブラシを正しく併用できるよう、当院の歯科衛生士が適切なサイズ選びから使い方のコツまで丁寧に指導を行います。

歯科衛生士による専門ケア
「SRP」

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)は、歯周病治療の土台となる最も重要な処置です。当院では国家資格を持つ歯科衛生士が担当し(症例によっては歯科医師が担当)、専用の器具を用いて歯の表面や根の深くまで徹底的に清掃します。当院では全歯科衛生士が定期的に外部講師を招聘しトレーニングを行っております。

SRPを行う目的

  • 原因菌の除去:歯ブラシでは落とせない頑固な歯垢(プラーク)や歯石を取り除きます。
  • 根の表面をツルツルにする:汚れが再付着しにくいよう、歯の根の表面を滑らかに整えます。
  • お口の環境改善:歯周ポケットを浅くし、歯ぐきの腫れや出血(炎症)を鎮めます。

治療について知っていただきたいこと

SRPは歯ぐきの深い部分をお掃除するため、必要に応じて麻酔を使用し、痛みに配慮しながら丁寧に進めてまいります。一度にお口全体を行うのではなく、数回に分けて計画的に綺麗にしていくのが一般的です。なお、溜まっていた歯石を取り除くことで、処置後に一時的に冷たいものがしみる(知覚過敏の)症状が出る場合がありますが、時間の経過とともに自然と落ち着いていきますのでご安心ください。

当院の歯周病治療

歯周基本治療(SRPなど)だけでは十分な改善が見られない場合、当院では科学的根拠に基づき、以下の専門的なアプローチを検討いたします。

歯周外科治療

歯周基本治療で十分な改善が見られない場合、歯周ポケットの除去や骨の欠損部の修復など、非外科的治療では届かない部分へ直接アプローチする「歯周外科治療」を行います。

  • フラップ手術

    歯肉を一時的に開いて、歯の根の表面にこびりついた汚れの徹底的なクリーニングと、傷んだ組織(不良肉芽)の除去を行います。

  • 歯周組織再生療法

    フラップ手術の際に特殊な薬剤や骨補填材などを使用し、歯周病によって失われた骨や周りの組織を再建・回復させる治療です。

  • 歯周形成外科

    患者様ご自身でのセルフケアが困難な部位に対して、歯肉の移植や切除を行い、お掃除がしやすい環境へ形を整えます。

※歯周外科治療は、より精密な処置が必要となるため慎重に適応を判断します。治療後は、これまで以上に入念なセルフケアと定期的なメインテナンス(SPT)が重要となります。

治療後も歯周病から守る治療
“SPT”

SPT(Supportive Periodontal Therapy:歯周病安定期治療)は、一通りの治療が終わった後の「長期的な維持管理・再発防止プログラム」です。
歯周病は非常に再発リスクが高い慢性の病気であるため、治療後の健康な状態をいかに維持していくかが生涯の歯を守る鍵となります。

SPTの主な目的

  • 歯周病の再発防止
  • お口の衛生状態の
    維持・向上
  • トラブルの早期発見と
    迅速な対処

SPTで行う主な処置

口腔内診査
歯周ポケットの深さ、出血の有無、歯のグラグラ度などを細かくチェックします。
専門的歯面清掃
歯科衛生士が、ご自身では落とせない器具を用いて徹底的にお口をクリーニングします。
セルフケアの確認と指導
毎日のホームケアの状況を確認し、必要に応じて適切な磨き方を再指導します。
必要に応じた処置
リスクが見つかった部位に対して、部分的なスケーリングなどを行います。
CHECK

通院の頻度と大切さ

SPTを行う間隔は、患者様のお口の状態やリスクに応じて個別に決定します。一般的には3〜6ヶ月に1回程度ですが、重症だった方にはより頻繁な受診をご提案する場合もあります。

歯周病治療のゴールは、単に一時的な症状を改善することではありません。患者様と私たちが手を取り合い、継続的なケアを行っていくことで、生涯にわたり健康で美しい口元を長く保ち続けることを目指しています。

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