根管治療


外科的歯内療法について

根管治療(俗に言う歯の根っこの治療)には、大きく分けて2つあります。1つは、歯の咬む面に穴を開けてそこから根の中を掃除する従来的な方法です。もう1つは、被せ物を外したり咬む面に穴を開けずに行う方法(外科的歯内療法)です。

外科的歯内療法とは、根の先に出来てしまった病気に対する外科的な治療法です。
具体的には、歯根端切除術意図的再植術を行います。

現在の保険診療における範囲内での根管治療(根の治療)の成功率は約50%と言われております。専門医が行った場合においても、再治療(一度根の治療が終わった後に再度やり直す治療)の成功率は約70%〜80%と言われております。治癒しなかった20〜30%のうちの約90%以上は外科的歯内療法で治癒するという報告もあります。

残念ながら、どちらにおいても100%絶対に治るという報告はありません。原因は、口の中の細菌が複雑な根の中に入り込んでしまい住み着いてしまったことが原因といわれています。非外科的な従来の根管治療には限界があります。根の解剖学的形態の複雑性、感染してしまった口腔内細菌の治療への抵抗性、根の中を越えて根の表面に感染が及んでしまうこと等、様々な要因が存在します。 非外科的な治療では問題が解決できない、もしくは非外科的処置の選択が賢明でない場合にのみ外科的歯内療法の適応となります。

歯根端切除術

非外科的な根管治療で除菌が届かなかった感染部分(主に根の先の部分)を外科的に取り除きます。 麻酔後に歯肉に切開をいれ、病気のある根の先の部分にアプローチをします。根の先の部分(約3mm)を取り除いた後は、その切断端をマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で観察します。その際に、根の先にヒビが入っていないか、未処置の部分はないか等を確認します。その後、切断端側から材料を詰めて切開部分を縫い合わせます。糸取りは、術後3日程度で行います。術後1週間位は腫れたり痛みが出てしまう場合がありますが、徐々に治っていきます。

歯根端切除術には、肉眼でおこなう方法とマイクロスコープを使用した方法がありますが術式や成功率が大きく違います。マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いた歯根端切除術は高い成功率であることが報告されています。

マイクロスコープを使用し、拡大(約5倍〜30倍)下で行いますので、専用の器具や術式のトレーニングが必要となります。従って、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った歯根端切除術は、どこの歯科医院でも受けられる治療法ではありません。ただし、解剖学的理由によっては手術ができない場合もあります。その場合は、意図的再植術を行います。
歯根端切除術

意図的再植術

意図的再植術は、解剖学的に制約がある場合に多く用いられる外科的な治療方法です。特に上下の親知らずの前の歯に多く用いられる方法です。この方法では、麻酔後に歯を抜きます。その後、口の外で抜いた歯を観察し、根の先の部分(約3mm)を取り除きます。そして切断端と根の全周をマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で観察します。その際に、根のにヒビが入っていないか、未処置の部分はないか等を確認します。その後、切断端側から材料を詰めて歯を抜いた部分に戻します。術後は、経過観察を行います。

この術式は歯を抜くという侵襲が加わりますので、抜く際に歯が割れてしまうリスクがあります。その場合は治療を続けることが難しくなる場合があり、最悪の場合は口の中に再度戻すことができなくなる場合もあります。また、根の表面が吸収されてしまう場合もあります。その場合は、経過観察を行っていきます。
意図的再植術

※外科的歯内療法のみでは対応できない場合

・非外科的な根管治療が、無菌的環境下で行われていない場合
・根管の中に詰めてある材料が緊密に充填されていない場合
・被せ物や、その土台に隙間または虫歯がある場合

これらの場合は、根の先の部分だけをとっても再発のリスクが高いとされています。自費の被せ物を装着したのに、歯肉が腫れてきてしまった場合など、外科的歯内療法のみで対応してもらいたいかと思いますが、その歯の状況や様々なリスクを考慮した上で治療法を最終的に選択して頂くことをお勧めいたします。

あくまでも歯内療法外科処置は、根の治療における最終手段です。それでも経過が良好にならないものに関しては抜歯の適応になる可能性があります。

詳しくは、担当医とご相談して頂き、治療方針を決めて下さい。



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